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【書評】工藤慎太郎|運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学

運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学の画像

 

運動器疾患で悩んでいる療法士
運動器疾患で悩んでいる療法士
運動器疾患別のわかりやすい本ないかな? 

 

いざ、運動器の勉強をしようと思っても疾患別でわかりやすい参考書ってたくさんありすぎて悩みますよね。

僕自身、脳卒中や内科系の作業療法を中心に行っていたので、運動器疾患を見始めた時に同じような悩みを持ちました。

その中でも、解剖学に基づいてわかりやすく解説されている参考書を見つけたので共有したいと思います。

本記事では、運動器疾患別にわかりやすく構成されている、工藤慎太郎先生の運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学を書評しています。

購入する際の参考にしていただければと思います。

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運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学の著者情報

参考書を買うときに内容もさることながら、どんな先生が書いたのか気になりますよね。

今回、記事にしている運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学の著者である工藤慎太郎先生がどんな人か紹介します。

【経歴】

2003年 平成医療専門学院 理学療法学科 卒業

2003〜2005年 井戸田整形外科リハビリテーション科

2005〜2011年 愛知医科大学医学部研究員

2003〜2014年 国際医学技術専門学校理学療法学科 教員

2011年 鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 修士課程 入学

2013年 鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 修士課程 修了(医療科学修士取得)

2013年〜2015年 鈴鹿医療科学大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻 博士後期課程

2014年 森ノ宮医療大学保健医療学部理学療法学科講師に就任(大学院保健医療学研究科講師も兼務)

2015年 同大学卒後教育センター副センター長も兼務。

2018年 同大学・大学院准教授へ昇任。

経歴を見ただけでも、どのような過程を踏めば理学療法士歴15年の若さでここまで有名になれるのかがわかり参考になります。

 

運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学は、工藤慎太郎先生の以下の思いが背景にあります。

理学療法士の養成校で解剖学を担当するのは理学療法士の専門家でないことが多い。

理学療法の臨床場面でどのような構造や機能が重要となるかを知っている理学療法士が必要な解剖学を確立しなければ、効率的かつ濃密な解剖学教育は困難なのではないかと考えている。

そのような視点から、本書では、運動療法を実施することの多い運動器疾患を取り上げ、頻度の高い症候や障害を解剖学的に考察し、運動療法の対象になる組織の詳細な構造や機能、変異についてわかりやすく解説した。

ページをめくる度に「人体の地図」が書き換えられ、運動療法に自信が持てるようになることを期待している。

運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学より引用、一部改変

 

最後の一文、ワクワクしませんか?

 

ページをめくる度に「人体の地図」が書き換えられ、運動療法に自信が持てるようになる

 

なんとなく行なっている治療から、自信を持った治療へ。

今どんな治療を行なっているんですか?と聞かれたら、自信を持って答えられる療法士に。

「人体の地図」を書き換える臨床推論を学びたくなりませんか。

 

運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学の構成

序章

  1. 胸郭出口症候群
  2. 腱板損傷
  3. 肩関節不安定症
  4. 肩関節周囲炎
  5. 上腕骨外側顆骨折
  6. 野球肘
  7. 上腕骨外側上顆炎
  8. 橈骨遠位端骨折
  9. 脊椎圧迫骨折
  10. 大腿骨頚部骨折
  11. 変形性股関節症
  12. 後十字靭帯損傷
  13. 腸脛靱帯炎
  14. 半月板損傷
  15. 前十字靭帯損傷・内側側副靱帯損傷
  16. 変形性膝関節症
  17. 前距腓靭帯損傷
  18. 足底腱膜炎
  19. 外反母趾
  20. 足根管症候群

上記が、運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学の構成となっています。

疾患別に20項目で成り立っており、臨床でよく耳にする疾患ばかりですね。

1項目5〜7ページくらいなので、毎日1項目読んでも20日間と1ヶ月もかからないところがいいですね。

 

運動器疾患の「なぜ」がわかる臨床解剖学で得られること

  • 機能解剖学をわかりやすく学べる
  • 解剖学を臨床的視点で活かす方法が学べる
  • 解剖学の予備知識が知らぬ間に増えていく

機能解剖学をわかりやすく学べる

本書に登場する解剖の図は基本的にイラストですが、そのイラストが非常にわかりやすく頭にスラスラ入ってきます。

イラスト美で有名なプロメテウスの色が簡略化されたバージョンみたいなイメージです。

言葉だけではわかりにくい内容もイラストを用いて説明してくれているので理解しやすいです。

ちなみに、「プロメテウスなんて知らないよ」って方のためにリンクを貼っておきます。

プロメテウスは内容別に3種類くらいあるので、購入する際は注意が必要です。

解剖学を臨床的視点で活かす方法が学べる

本書は、巷の参考書のようにいきなり疾患の説明から入るといった堅苦しい内容ではないです。

まず、症例の提示があり、その症例の症状を解剖学をベースとし紐解いていく形となっています。

「なぜ?」を突き詰めていくので、各項目を読み終わった後にスッキリしますし、明日からの臨床に活かせる内容となっています。

 

解剖学の予備知識が知らぬ間に増えていく

疾患に対する臨床推論だけでなく、各項目の疾患に関連する解剖学のコラムがついているので、疾患の知識だけでなく予備知識も深まり一石二鳥です。

 

唯一、もうちょっと記載して欲しかったのは検査バッテリーくらいでしょうか。

検査項目については必要最低限載っているといった感じでした。

この点については、著者の続編である“運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略”に書かれているので気になる方は併せて読んでみてください。

 

解剖学や触診技術を学んだはいいけど、臨床への活かし方がわからない。

学んだ解剖の知識が点と点のままで線にならずにくすぶっている。

普段の臨床で毎日モヤモヤしている。

 

本書はそんな想いをスッキリさせてくれる良書だと思います。

 

自信を持った療法士になりたい方は本書を手にとってみてはいかがでしょうか?

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